
【色彩の商標登録】という言葉を聞いたことがありますか?
2017年3月1日、経済産業省は、企業・商品などのブランドを象徴する「色」や「色の組み合わせ」の商標登録を始めました。
色彩以外にも、図形や音も登録の対象となっています。
その第1号として、数ある申請のなかから選ばれたのが、トンボ鉛筆の消しゴムの配色です。
トンボ鉛筆の消しゴムの本体を巻いている紙製ケースの3色「青・白・黒のストライプ」の組み合せは、1969年発売されて以来、48年もの間、その姿を変えることなく、親しまれてきました。日本人なら、誰しも1度は目にし、手にした配色でしょう。
これだけ、長く愛され続けたからには、それなりの理由があるはずです。
改めて、3色の色の意味を掘り下げてみました。
【濃い青】
◯青は、向上心や勤勉さを示します(実際に向学心がある時は、青に惹かれるのです)。消しゴムを使って勉学に勤しむ時の心情とピッタリです。
◯弛緩的(ゆるむ感じ)の暖色に対し、寒色の青は、ぴしっとする緊張感があります。爽やかな、明るい青ではなく、濃い青であるため、緊張感の効果が大きいのです。
【白】
◯清潔感があります。真っ白は、綺麗に消せますというイメージです。
◯(深層心理と色の関係から)人は何かを後悔する時、白に惹かれます(★後で解説)。
【黒】
◯最も重い色なので、堅実で安定感があります。
◯黒、青との組み合わせで明快なコントラストです。
【黒×白×青】
明快な配色が、キリッとした緊張感が生まれます。
(★)
私たちが、消しゴムで何かを消す時、指は、白い部分に触れて、視線は白を中心に見ているでしょう。
「白」は深層心理的には、後悔や、自分のしたことを無かったことにしたい気分の時に、欲する色彩だと言われています。
文字を消しながら、自分のした事(例えば、間違った計算の結果)そのものを消し去れることが、長く愛され続けている理由の1つかもしれません。
物理的にも消すだけでなく、心理的にも、綺麗さっぱりと消し去ってくれるイメージなのですね。
これは、計算違いのような小さな後悔に限らず、もっと大きな後悔の念に苛まれる時にも同じ効果があります。後悔して、白い服を着てしまう、ということになるのです。
(次のブログ)もう1つ、トンボ鉛筆のカラーデザインとともに、商標登録された、国民的なカラーデザインがあります。