
ラファエロの代表作の1つ。トンド(円形画)形式という丸い空間の中に、聖母子と聖ヨハネが押し込まれるように、配されています。何とも、暖かみのある作品ですね。
聖母マリアの配色は、青い衣が定番ですが、本作では異なっています。全体には赤・黄・青の三原色に近い色相が散りばめられています。特に、幼子イエスの黄色と洗礼者ヨハネの青が補色関係で接しており、全体としても緑→赤→黄→青がそれぞれ接しながら、順番に並んでいます。
中央に暖色、周辺に寒色系が配置されることで、真ん中に膨張色(進出色)が集まり、より立体的で丸みが強調されています。
1514年
直径71cm
板に 油彩
ピッティ美術館(フィレンツェ)

