お正月の言葉の中には、何げなく使っていて、意外と知らない深い意味があるものです。
例えば、正月のお酒を「おとそ」と言いますね。
漢字では「お屠蘇」と書きます。
「屠」は屠殺で殺す、「蘇」は蘇生でよみがえるの意。
いったん、悪い邪気を「殺して」から、新たな生命を蘇らせるという意味があるのです。
これは、道教の「補完性」という考え方で、一般的には「陰と陽」として知られていますね。
例えば、「女は陰、男は陽」「夜は陰、昼は陽」「陰は冷たく、陽は暖かい」です。
この正反対の性質は「敵対」するものではなく、「補い合う」ものなのです。
さて、それを色にあてはめると・・どうなるでしょう?
【問題】
「赤と(A)は補完しあう」
「黄と(B)は補完しあう」
※(A)(B)には色名が入ります。
その答えは、印象派の画家「セザンヌ」が教えてくれます。

上の画像はKindle世界の名画シリーズ「セザンヌ画集」より抜粋。
上記は、セザンヌの絵画制作風景を見た若い画家が語った言葉です。
赤いりんごの隣に緑を置いて、陰陽の力を満たしたのでしょうか。
正解は
「赤と緑は補完しあう」
「黄と青は補完しあう」
もっと正確に
「赤と青緑は補完しあう」
「黄と青紫は補完しあう」
と答えた方は大正解です。
PCCSの色相環を、よく理解されています。
色の補完性、つまり「補色」のことですね。
セザンヌは、再三若い画家たちに、このように色の使い方をアドバイスしてきたそうです。
そして次のような言葉も残しています。
赤と黄で示された光の振動の中に、充分なだけの青系統の色を入れなければならない。